人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「在宅緩和医療との連携」

地域で活躍されている在宅緩和(終末期)医療の医師、小澤竹俊先生(キリスト者)がおられます。最近では2017年にNHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」で全国に紹介されました。私たちの教会関係者も何人か、御家族の最期にあたり、この先生にお世話になっています。今年8月には、心を聴く市民ネットワークの講演会でお招きしたばかりです。さて、先週、小澤先生の携帯電話から電話を受けました。「余命1週間で、洗礼を希望されている方がいます。会っていただけますか」という内容で、その方のご自宅に駆けつけると、そこにおられた小澤先生から「罪の赦しを求めています」とのこと。御家族、そして細い声でお話しされるご本人のお話の内容からすると、子どもの時、おそらく幼稚園でキリスト教に触れ、以後80余年、教会には行っていなかったのですが、小澤先生とのやり取りの中で、心の蓋が開いたのでしょう。罪の赦しと洗礼を求めていることを確認しました。それまではお元気にされてきたのですが、6月に癌が分かり、急激に悪化され、限られた時間の中ですので、小会のメール稟議により、3日後の洗礼式となりました。昔、覚えた讃美歌に「いつくしみ深き」があります、とか、三浦綾子の『塩狩峠』の主人公に感銘を覚えているとか聞かせて戴きながら、お勧めの後に、以下、この方のために用意した質問で誓約していただきました。・あなたは、イエス・キリストをあなたのために送られた神がおられることを信じますか。・あなたには、罪がありますか。・あなたは、あなたの罪をゆるすためにイエス・キリストが十字架で死んだことを信じますか。すべてに「はい」と答えられたのを見て、長老1名、教会員2名の立会いの下、洗礼を執行しました。初めてお会いした方にもかかわらず、陪席した仲間たちに深い感動を与える時になりました。帰り際、御家族から、この後、葬儀をお願いします、と。緩和医療の医師と、教会との連携がうまく運んだ事例となりました。痛みを抑えるお薬の投与を受けながら、数日間だけのキリスト者としての旅路が、平安の道に変えられたに違いありません。
by rev_ushioda | 2018-09-02 22:26 | Comments(0)

横浜で牧会する牧師のブログです。


by rev_ushioda