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「矢と歌」

H・W・ロングフェローのこの詩を覚えておきたい。
牧師のつとめのゆえに。

  私は大空に矢を放った
  矢は私の見知らぬ大地に落ちた
  飛び去る矢は余りにも早く
  その行方を追うことはできなかった

  私は大空に向かって歌を唱った
  歌は私の知らぬ大地に消えた
  その歌を追うことができるほど敏感で強力な視力を
  持つ人はいなかった

  幾多の歳月が流れ去り
  一本の樫の木に、折れずにささっている矢を見つけた
  そして、私のあの歌が
  何も変わらずそのまま、
  友の心に宿っていたのを知った

The Arrow and the Song ― H. W. Longfellow

1. I shot an arrow into the air,
It fell to earth, I knew not where;
For, so swiftly it flew, the sight
Could not follow it in its flight.

2. I breathed a song into the air.
It fell to earth I knew not where:
For who has sight so keen and strong,
That it can follow the flight of song?

3. Long, long afterward, in an oak
I found the arrow, still unbroke;
And the song, from beginning to end,
I found again in the heart of a friend.
Commented by ロッキー at 2019-11-17 20:37 x
飯島正久著「老境の収穫」の最終話に「少年の心に宿った歌」と題に
少年のころ私の心に宿った歌が、ふと八十路からふりかえる胸のうちに以前にはなかったような深い感慨を生みだします。
これは十九世紀アメリカの詩人ロングフェローが詠んだ「矢と歌」を題する短い詩です。(P149)

われ蒼穹に矢を射たり
地におちていずこか行方も知れず
天かけることをいと速く
眼これを追うをえず

われ蒼穹に歌をつぶやきぬ
地におちていずこか行方知れず
天かける歌を追うほどに
鋭き強き視力あるべき

幾年月流れながれて 樫の木に
矢折れもせず突きたつを見いだしぬ
かの歌もはじめより終わりまで
友の胸にわれふたたび見いだしぬ

掲載の訳がわかり易く、詩が理解できます。ありがとうございます。
by rev_ushioda | 2007-04-16 19:31 | Comments(1)

横浜で牧会する牧師のブログです。


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