「人間回復」

いつだったか、新聞に「人間回復」という言葉がありました。ハンセン病の隔離が解かれた、という記事でした。ハンセン病は、らい病と言われていました。この病気は感染力はないに等しく、遺伝もしないのに、日本では患者を隔離し、怖い病気という意識が植え付けられてきました。世界では、すでに40年前にこの病気の人は自宅療養が主流になっていたにもかかわらず、日本ではずっと差別、偏見、隔離を続けてきたのです。それで患者さんたちは、自分のことで迷惑がかかるからと本名を名乗らず、決して家族に連絡をとろうとしなかった。これが現代の日本であろうかと耳を疑いました。裁判で、この隔離は誤りであったと判決が出た時、患者さんたちはまさに「人間回復」の戦いを、勝ち取ったのです。誤解と偏見で奪われていた人権が、ここに回復されたのです。
聖書に、「重い皮膚病を患っている」人のことが書かれています。彼らは、道を歩く時には誰かが接触しないように自分を「汚れた者」と言わなければなりませんでした。キリストが山から降りて来られた時、誰に最初に出会ったかと言うと、この「重い皮膚病を患っている」人であったと書かれています。山のふもとに「重い皮膚病を患っている」人がいたのは、町から離れた山際に、追いやられていたからです。隔離されていたのです。その「重い皮膚病を患っている」人を目掛けて、キリストは山から降りて行かれたのです。
そして、キリストは「手を差し伸べてその人に触れ・・」たことを聖書は書いています。ここに、人間回復が起こったということです。キリストが手を差し伸べてその人に触れた時、そのことで、私も山際に追いやられるなら、追いやられてもよい、というほどの決意がみなぎっています。キリストは、こうして、自分は清いと主張する人々から、十字架に(文字通り)“捨てられた”のでした。その犠牲によって、今も山際に追いやられているような人、差別、偏見を受ける人、場所を失っていると感じる人は、人間として生きる道に連れ出されているのです。キリストによって、あなたも人間として生きられるのです。

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by rev_ushioda | 2014-04-11 21:22 | Comments(0)