「神学校卒業式 祝辞」

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卒業生の皆さん、今日は、幸いな良い日を迎えられました。心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。

また、神学校の先生方には、いつも、私どもの神学生を受入れ、ご指導いただいておりますことを、カンバーランド長老教会日本中会を代表して、心から感謝を申し上げます。
日本中会は、国内には自分たちの神学校を持たないため、永年にわたり、こちらの学校に教育をお委ねしてまいりました。卒業後、一人ひとりは、良く教会に仕えて、よい働きをしていることを、この場をお借りしてご報告できることをうれしく思うと共に、先生方のご指導のおかげと思って、改めて、心からの感謝を申し上げる次第です。

さて、卒業生の皆様方には、月並みではありますが、「お体を大切に」ということを申し上げたいと思います。
皆さんは、神学校では先生方を相手に、先生方の「胸を借りて」、ずいぶん頑張ったわけですが、卒業すると、しかし、やはりそこでも頑張らなければなりません。生涯、教会にお仕えするなかで、これからはもう、神学校の先生相手ではありません。向き合うのは、信徒の皆さんであり、いまだ聖書を読んだことのない人であり、様々な問題を抱えている人です。今も、そう言うのでしょうか、ウルトラ・シーを、しょっちゅう使わなければなりません。当然、頑張り方ということを、考えなければならない、と思うのです。
私のことで恐縮ですが、私は教会に遣わされた当初の20年の間に、4度、今思えば、心理的な不調を経験しました。
① 最初は、めまいでした。神学校を卒業して最初の年の秋、寝ても起きても部屋中、ぐるぐる回って、数日間寝込みました。
② 何年かたって、最初に中会の議長に選ばれたとき、十二指腸潰瘍になりました。ある長老から「委ねなければダメだ」と言われ、「委ねてますよ」と、少し、むっとして言いながら、そうか、委ねてなかったのかと、内心、幾分かは反省して、委ねようとしたら、委ねるってどういうことだったかよく分かってなかったことに気づき、余計、ストレスになった。
③ ある時、一人の女性が、顔を腫らしてきました。息子の暴力だ、と。その方を1週間くらい教会にお泊めした時は、家族には「ここにはいません」と言わなければならないわけで、水が飲めなくなった。牧師はうそをつけないと思いました。
④ また、別のある時は、電話に出ることができなくなって、さすがにヤバイと思って、カウンセリングに行きました。この時が一番、お金がかかりました。

色々ありますが、振り返ってみれば全部、心理的な不調でした。そして、全部に共通して言えるのは、頑張っていた、ということです。そして後から分かるのですが、「妙に」頑張っていた時です。「委ねてますよ」とその時は言い返した、と言いましたが、実は、くやしいけれど、当たっていたのです。
主に委ねるというのは、「そうしよう」と思って、出来るものではないことは、後で知りました。自分が頑張っていては、委ねられないのです。委ねるというのは、その前に、頑張っている自分に、まず気づかなければならなかったのです。そして、そこを解放しないと、委ねることができないという、当たり前の順序があることは、頭で分かっていても、体では分かっていなかった・・・ようです。どうして体でわからないかというと、牧師は、十分頑張っているのに、まだ頑張り足らないと、どこかで思ってしまうから、です。

ある時、タコを揚げようと、子どもが広場で走り回っている。「タコを揚げるのは、そうじゃないんだ、こうだよと、と糸を長くして、風が来たら、糸を引く、そしてタコを握っている手を離すんだ」と、教えたことがあります。
その時に、そうだ、と気づきました、自分だって走り回っていたじゃないか、と。何かいい方法はないかと、風を感じるというより、こうでなければ、ではどうしたらいいかと。人がこう言えば、そうか。ああ言えば、また、そうか、と。状況を改善するためにどうしたらいいかと、気持ちが、走り回っていた。そういう時は、タコを「握り締めていた」ようなものです。握り締めていたら、揚がるものも揚がらない。私は、委ねるということを言葉で知っていましたが、体で知っていなかったことに、気づきました。握り締めていたものを解放することが大事だったのです。
その作業には、少しカウンセリングの力を借りなければなりませんでしたが、それ以来、気持ちが軽くなって、「今日は、どんな風かなあ・・・」なんて思えるようになりました。
皆さんには、いい風を受けて、すっと手を放す、そして風の中で、みこころのままに主の御用に用いられる、そのような牧会に立っていただきたいと思います。
祝辞にはなっていないと思いますが、今日は、主のために用いられる人生の旅立ちです。教会にお仕えする、出発の日です。この道は、先の長い道になります。どうぞ、不必要な頑張りから解放されて、主に委ねて、・・・お体を大切になさっていただきたいと思います。

関連ブログ記事 ⇒ K先生のブログ (上の写真は、ここから拝借いたしました。撮っていただいて、ありがとうございます!)

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by rev_ushioda | 2012-02-27 11:45 | Comments(0)