「ツナミの小形而上学」

いつの間にか手元にある本。

「原発を終わらせる」石橋勝彦著、岩波新書
「日本の大転換」中沢真一、集英社新書
「原発が許されない理由」小出裕章著、東邦出版
「原発と憲法9条」小出裕章著、遊 社
「ツナミの小形而上学」ジャン・ピエール・デュピュイ著、岩波書店
「原発とキリスト教」新教出版社

ツナミの小形而上学」は、現代社会の暴力や悪の問題についての哲学的な考察で、原書は2011年ではなく2005年に、スマトラ沖地震を受けて出版されたものである。私には難しく、ほとんどわからない本だったので、読むというより、斜めにページを繰るしかなかった。しかし、心がひかれるテーマを追いかけていたので、印象に残っている。
人は、未来の破局にどう向き合ったらよいのか、というテーマである。本文は、とにかくわからなかったが、23ページにわたって書かれている「解説」が助けてくれた。それによると、著者の関心事は、

「確実な破局」を、いかにして避けるかというより、むしろ、「確実な破局」を「非現実」の領域に押しやって、目の前の現実に身を委ねてきた道をそのまま進もうとする世界の趨勢を、どのような意識転換によって変えられるのかである。

それで気づいたのは、本文に次のように書かれていたことだ。

「(スマトラ沖)地震の発生とツナミの高い蓋然性について、タイの当局がきわめて早い段階から可能性を認識しながら、自国の観光業を壊滅させないために、わざと警報を発しなかった」

自然災害といえども、社会的なもろさのために引き起こされるのだという指摘。東日本大震災の悲劇の多くは、企業間の癒着、安全神話がそれである。多くの生徒を失った学校だけでなく他の学校の多くも、ツナミを想定していなかったという、非現実思考。今回の災禍は自然災害なのかという問いが発せられている。

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by rev_ushioda | 2012-02-13 11:27 | Comments(0)